マルナカ出水店 株式会社GENKI

0996-79-3739

STORY マルナカ出水店 ストーリー

株式会社GENKIマルナカ 代表取締役 田中揚

地元・出水市の活性化
その源となることを願って

スーパーマーケット「マルナカ出水店」は、鹿児島県出水市にあります。
かつては大手企業の工場群がフル稼働してにぎわっていた町も、それら企業の撤退にともない、町の活気がなくなりました。労働人口激減の影響で、もともとこの場所で営業していた地元スーパーも閉店し、空き店舗に。人々の生活に必要な衣・食・住。その中の食の一端を受けもつスーパーマーケットがなくなれば、地元の方々の暮らしも不便に違いない…。なんとか、出水市の元気復活のきっかけに、なれないだろうか。
そこで、鹿児島県薩摩川内市で、スーパー「マルナカ」を運営していたノウハウを活かし、閉店したスーパー跡地をリニューアルした「マルナカ 出水店」のオープンを決意しました。そして街が元気になるよう思いを込め、社名も「GENKI」と名付けました。元気な笑顔でお客様をお迎えし、お店に入られてから退店される間に、お客様の元気が少しでもアップしているようなお店をつくろう! 2009年、店のグランドオープンにあたり、工場の撤退で職を失っていた人を含め、100人ほどを雇用。60人の求人枠に、350人もの方に応募いただきましたので、人員枠をアップし、弊社の理念に賛同いただける、素晴らしい仲間とともにスタートを切ることができました。

リアルタイムで全力投球、
“マルナカ”の魅力を確立

しかしながら、最初の1〜2年は、お客様も少なく、苦戦を強いられます。集客のために折り込みちらしを配布してみましたが、お客様が来店されるのはチラシを入れたときの一瞬だけで、後が続きません。そこで広告に使う費用を、商品や売場に転嫁しようと考えました。
肉や魚の品揃えを豊富にしたり、大量陳列など。価格もできる限り、安く抑えるように、日々努力しました。
当店は、生鮮をメインに取り扱うエリア唯一の食品スーパーです。ナショナルブランドは物流やスケールメリットで大手チェーンストアには太刀打ちができません。ならば得意の生鮮でとことん勝負しようと。その特徴を物語る歴史を作っていくためには、チャレンジの積み重ねが何よりも肝心だと思いました。
本部の決定を軸に展開する大手チェーンストアでは出来ない、お客様に寄り添ったサービスを実施。
お店ではなにごともリアルタイムで決定していきますから、とにかく反応が早い。昨日考えたことは今日実行でき、今朝考えたことを夕方には試すことができます。
メイン商材の生鮮は、鮮度が命。決断と行動の早さは鮮度にとっての絶対条件となります。お客様の声を即売場に反映できるよう、市場の仲買さんとは常にいい付き合い方ができるよう心がけています。
オープン3〜4年目ぐらいから、そんな当店の魅力が徐々に口コミで広がり、お客様に浸透。それに伴い、ようやく売上も右肩上がりに伸びていきました。

19時閉店、日祝日休みでも
お客様にマイナスを感じさせない

当店には接客マニュアルはありません。スタッフがお客様と気軽に会話をすることが当たり前のようになっているのは、大手チェーンストアやコンビニエンスストアの接客マニュアルでは、考えられないことだと思います。
しかし、「マルナカ出水店」では、マニュアルでは決してできない接客を実施しています。
「少々不作法であっても、ひとりひとりが真心をこめて接すれば、必ずお客様は私どものお店を選んで下さる」。
そんな強い信念のもと、毎日のお買い物が楽しく、価値あるものとなるように、日々努力を積み重ねていく事が、我々地域密着型スーパーの使命だと考えています。
 広告のチラシも配布していませんし、日曜、祝日は定休、毎日19時には閉店します。
お客様が不便、マイナスと感じられることは、営業している時間帯で挽回。プラス要素を目いっぱい打ち出すことで、差し引きしてもお得感をたくさん感じて、満足していただく。そのために、いかに全力を尽くすかを常にスタッフと話しあっています。
新鮮で美味しいものを安心して召し上がっていただきたいという気持ちは、創業当初から今も変わりありません。「より良い品をより安く」をモットーに、食を通じて地域社会に奉仕し、「地域で一番お客様のご支持をいただける店」を目指しています。

将来の夢は、自分自身で発見
会社はそれを全力で応援します

大手チェーン店のように、上司の指示どおりに仕事をこなし、誰かの責任のもと働いていたほうが楽だとは思います。
しかし、そんな状態が続くと、自分の存在意義を見失い、やらされている感ばかりが募ってしまいかねません。
当店では、お客様と接しながら、自己責任のもと、様々なことを経験できます。だからやりがいがあると思います。自分ががんばったことがすぐに評価されます。それがローカルのスーパーでがんばる意味と醍醐味であると考えます。
私は、新しく仲間に加わる人には、これまでの自分を見つめて直して、そして将来、どうなりたいか、と必ず尋ねます。夢やビジョンはこちらから押し付けるものではなく、自分自身で見つけるもの。夢を叶えられるよう、後押しするのが会社の役目です。
将来、どうなりたいのか、夢がわからない人もいるでしょう。そんな人も、「マルナカ出水店」で働くことで、自分のやりがいや、働いていて嬉しいこと、上を目指したくなること、自分の進むべき道を見つけることができるような環境づくりを推進しています。
スタッフとスタッフ、スタッフと上司、幹部と社長がしっかりお互い向き合った、双方向の関係性を築いていくことが大事です。
自分の意見を相手にしっかりと伝えること、この積み重ねが新しいアイデアや売り場づくりにつながると考えており、しいてはお客様に喜んでいただけることにつながるのだと考えています。お店では、いいこと、悪いことも含め、色々なことを話し合います。
自然と密なコミュニケーションがとれている、抜群にチームワークのいいお店だと自負しています。

GENKIの理念は
「思いやりの実行で感動を売る」

お客様の声をしっかりお聞きして、お客様のことを思いやる、私たちだからこそできる最高のおもてなしを実行して、「感動」を与えることがひとつ。
商品を選び、レジで精算していただいて初めてお店の売上となり、お客様との関係が成立します。その関係を一度きりにしてしまうのではなく、これからも買い物をするならば、「この店のこのレジで」と思ってもらえる、おもてなしを目指しています。
もちろん、それだけで当店の価値のすべてを決めることはできませんが、一度来店いただいたお客様に再び訪れていただくことは、使い心地の良さや価値を少しでも実感していただけたことの証明にもなるからです。 お客様に毎日、繰り返し来店いただけるような、お客様と暮らしに寄り添うお店をつくり続けていきたいと思っています。

お店はリアルタイム
売場はライブ

もうひとつの「感動」は、お店が何をしでかすのか、見当がつかない。売場はライブ同じです。驚きの価格や、驚きの商品、感動のサービスなど、来店していただくお客様全員に必ず、驚いて、喜んでいただく、感動いただける売場づくりを心がけています。来店しなければ味わえない、その場でわかるからこそ、リアルタイムに新鮮で予想外のものとするために、あえて詳細をお知らせするチラシも配布していません。
例えるならば、子供たちが保育園や幼稚園で発表会をするようなものでしょうか。親達の想像を越える姿を披露して、私たちを感動させてくれますよね。子供たちができるのに、大人の私たちが売場でできないはずがありません。感動をお届けできないのは、売り場がお客様にとって想定内、「当たり前」になってしまっているからです。
競争が激しく、ましてやネットで何でも購入できる時代、お客様はいくつもの選択肢の中から、当店を選んで来店いただいているのです。
新鮮なものを、リアルタイムで、ベストなサービスで購入していただく。それが生鮮主体である当店のやるべきことで、そのライブ感覚を徹底的に追求しているからこそ、お客様に感動いただけると思っています。

「150円より安い198円(イチキュパッ)」をいかにつくるか
お客様目線の価値創造

会社の規模を拡大し、お店の数を増やすことも必要かもしれません。しかし、単に支店が増えるだけではなく、信頼できるお店として認知されることがより重要だと思っています。
ドラッグストアの台頭やネット販売人気からもわかるように、今の時代は、単に「安い」「特売」だけをウリにしていては生き残っていけません。競合はもう同業他社ではないということです。他の業態も観察し、真の価値を考えなければなりません。
当店の課題は、いかに「150円より安い198円(イチキュッパ)」をつくるか。
もちろん、198円は例であって、顧客価値を課題としています。150円より48円高くても、お値打ち、価値があると喜んでもらえる、それを200円台から少しでも切って買っていただけるよう努力すること。
スタッフひとりが自分自身も生活者であることを常に意識して、売り場づくりを行っています。
価格の安さだけにこだわる売り場づくりでは、会社として存続しませんし、何よりお客様が求めているニーズを実現できず、お客様に手に取っていただけません。そうならないために、「お客様目線」で世の中のニーズを見つけ、必要とされているもの、必要とされるであろうものを、満足していただける価値でご提供することを意識し続けています。 当店の未来存続のためには、価値を創造する努力ができる「人」、勉強好きな「人」が必要です。
今までやってきたことを肯定して生きるのではなく、今までやってこなかったことに挑戦する心意気、それも無謀な挑戦ではなく、勉強に裏付けされた確実な挑戦。
 自分の考えを積極的に発言し、自ら行動を起こせるお店なので、スタッフにはその中で自分を伸ばして活躍してほしいと願っています。
  個人を尊重し、活躍できる仕事環境をつくることでスタッフを育てる。成長したスタッフがより良い売り場をつくり、お客様へ感動をお届けする。信頼できるお店として、広く知られるようになり、自ずと規模が大きくなる。 つまり、お客様から信頼され、必要とされるお店となるためには、スタッフを育てることが原動力となります。これこそが「マルナカ出水店」が「人」に注力する理由であり、その良いサイクルが出来上がっていることが、当店のなによりの自慢だと思っています。